地政学について③ 中国の具体的な分析! 中国の国家戦略とは

  • 2019年10月7日
  • 2020年3月21日
  • 政治
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こんにちはRISです。

地政学の記事、三つ目!中国についてです。

中国も地政学的に分析することが可能です。

中国はどんな戦略をとっているんでしょうか?

 

中国の分析

中国を地政学的に分析すると、

典型的なランドパワー国家ということがわかります。

戦略的深みを内陸に持ち、資源を基盤に運営していました。

陸軍中心で、海軍は弱い。

しかし最近シーパワー国家に転身しようとしています。

近年大陸資源は13億人の人口を生存させるには足らず、

海外や他国との交易の中で国家を運営する必要がうまれ、シーレーンの確保をする必要がでてきたからです。

 

さて中国の基本戦略を箇条書きでまとめてました。

・物資不足を海外(主にアフリカ)から入手したい
・周辺諸国を同化政策によって併合しようとしている
・アフリカと中国、欧米と中国を結ぶシーレーン確保や、パイプラインなどのインフラ整備をしたい
・ランドパワーからシーパワーへ

これらの結果出てきたのが「一帯一路」戦略になるんですね!

図にするとこんな感じ、

それでは以下で説明していきたいと思います。

 

物資不足を海外(主にアフリカ)から入手したい

中国はアフリカや南米に大量の資本を投資しています。

また中東などの原油国に対し、アメリカ、ロシアの影響力が低くなったところ入り込んで資源を得ようとしている。

アメリカはシェール革命を起こして、海外からあまり原油を輸入しなくても良くなりました。その隙に中国は入り込もうとしているんです。

『豊富な地下資源と武器市場を狙って、大国が介入し続けたアフリカに、ソ連崩壊後でロシアが引いたあとは、中国のアフリカ進出が加速している。』                            (世界史で学べ!地政学p.301より)

その影響数はすごいものがあります。

すでに中国の石油の3分の1はアフリカ産とのこと。

ほかにも、天然ガス、金、銀、銅、ダイヤ、アルミニウム、コバルトなどをアフリカから得るために。

進出、投資を大量に行なっています。

 

周辺諸国を同化政策によって併合しようとしている

中国は、過去から征服する場所に中国人を送り込み、民族を同化させて統治する同化政策をとってきました。

現在もマンパワーによって同化政策を実現するために必要な基盤を各地に作っている段階でります。

例えば中国がアフリカに進出する際には、企業がお金を出して工場を建てます、

そして労働者として中国人も送り込むわけです。

現地の人は、工場ができたと言って喜ぶのもつかの間、そこで働くのは中国人なので、現地人は豊かになりません。

これはまだ優しい方で、

新疆ウイグル自治区、チベット、などは、中国人が送り込まれ、文化も破壊され、中国化されています。

1世代が変わる、50年ほどでしょうか。

チベットやウイグルなどは中国化によって生まれた人が大人になって、だんだんと同化されていってしまうのかもしれません。

 

アフリカと中国。欧米と中国を結ぶシーレーン確保や、パイプラインなどのインフラ整備をしたい

一帯一路にもみられるように、中国と欧米アフリカを繋ぐには、

大陸のシルクロードを通る道と

海路であるシーレーンを通る道、

この2つを磐石なものにしなくてはなりません。

そのために中国は太平洋に進出するための、「劉華清プラン」

インドの要所を抑えた。「真珠の首飾り」

などの戦略を行なっています。

 

「劉華清プラン」

『「劉華清プラン」というのをとっており第一列島線第二列島線等いう二段階の拡張によってアメリカをグワムからハワイに撤退させようとしている。』                            (世界史で学べ地政学p.74より)

これはアメリカを沖縄、台湾、フィリピン、グワム、ニューギニア、小笠原から撤退させようという戦略です。

太平洋での地位を高め、シーレーンを磐石なものにしようとしています。

 

「真珠の首飾り」

『インドを取り巻くパキスタン、スリランカ、バングラディシュ、ミャンマーに対し、中国の企業が、港湾・道路・パイプラインなどのインフラ投資をおこなっているのです。インドの首を締め上げる「真珠の首飾り」だとしてインドは警戒を強めています。』                                    (世界史で学べ地政学!p.152より)

インドに対して中国は周辺諸国から投資して、経済的に癒着し、各国に発言力を高めようとする動きがあります。

この地図で見れるように、インドをオフ石始めているように見えますよね。

これが首飾りなんです。

 

ランドパワーからシーパワーへ

中国は以上に挙げた通り、海洋進出しています。

海軍の発展にも力を入れていて、軍事は年々増加の一途をたどっています。

これはランドパワーだった国が、シーパワーに脱皮しようとしているとも見て取れます。

『中国は列島戦の狭い回路を支配しようとしている。(中略)そこを掌握すれば、南シナ海の最も重要なシーレーンに出られるためだ。平時には、様々な場所で航行可能だが、有事の際は簡単に封鎖され、中国の動きを封じ込めてしまうだろう』

(恐怖の地政学p.43より)

このように、劉華清プランも戦略的重要地点を確保する一環なんですね。

中国にとってはシーレーンを封鎖されたら、死活問題ということなんです。

 

さて地政学の中に鉄則があります。

「一国においてランドパワーとシーパワーは両立しない」

これは過去から導き出されたものです。

国においてはどちらかに必ず戦力が傾くのです。

そして両立するのは、国家運営的に厳しい、

両立しようとした国はすべからく衰退したというのです。

 

この鉄則に中国も当てはまるのでしょうか?

中国は空前の人口と経済力を兼ね備えた国になりつつあります。

また技術の進歩は激しいものがあって、エアパワーやスペースパワーもでてきます。

軍隊を作る能力も過去とは常識が違うのも事実です。

中国が空母を作った時、その技術の拙さで、飛行機が離陸できない空母を作っていました。

地政学を知っている者からすれば、やはり、シーパワー、ランドパワーは両立できないんだというように見えました。

しかし、明治維新時の日本も、アメリカの黒船をみて、すぐに真似をし、動かない軍艦を作ったりしています笑

そんな国が、シーパワー国家としてロシア、アメリカに互角に渡り合った過去を見ると。

中国の軍備増強にうかうかしてはいられません!

 

外交戦略を叱しっかりたてていきましょう!!

 

最後に

いかがでしたか?

中国に対して理解が少しでも深まったでしょうか??

お役に立てたら幸いです。

 

これは中国の2019年時点での基礎的な情報です。

すでに少し情報が古いかもしれませんので。

時事的な出来事に合わせて、中国を地政学的にも分析時ていきたいと思います。

 

では次の記事でお会いしましょう!!

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