「書評4」 幸田露伴の語録に学ぶ自己修養法

  • 2019年9月26日
  • 書評
  • 148view

こんばんはRISです。

今日の書評は「幸田露伴の語録に学ぶ自己修養法」を紹介したいと思います。

 

著者は、渡部昇一さんです。上智大学を大きくした人物です。

この本は幸田露伴の本を渡辺先生が大切なところをまとめ。現代語に翻訳してくださっている本です。

 

内容としては、濃い濃い!!

学ぶべきところや、自分に足りないところなどが明確になります。

 

まず幸田露伴についてですが。

日本小説家。本名は成行(しげゆき)。別号に蝸牛庵(かぎゅうあん[1])、笹のつゆ、雷音洞主、脱天子など多数。江戸(現東京都下谷生れ。帝国学士院会員。帝国芸術院会員。第1回文化勲章受章。娘の幸田文随筆家・小説家。高木卓の伯父。

『風流仏』で評価され、『五重塔』『運命』などの文語体作品で文壇での地位を確立。尾崎紅葉とともに紅露時代と呼ばれる時代を築いた。擬古典主義の代表的作家で、また漢文学・日本古典や諸宗教にも通じ、多くの随筆や史伝のほか、『芭蕉七部集評釈』などの古典研究などを残した。

               (Wikipediaより)

このような人です。

その優れた洞察力によって100年に一度の頭脳と称され、「努力論」「修省論」を執筆し。

大きな影響力を持ちました。

 

それでは心惹かれた内容を紹介します。

内容としては、

自己実現の方法や

お金のため方、富の作り方

学問の修め方、という括りがメインに思われます。

 

それでは引用です。

失敗したことをどのように考え、考えるか。その時の姿勢が成功者を作り、また失敗者をも作るのである。

成功した人は、人のせいにせずに、自分がこうしたならばと考える人なのだとか。

 

今引用しているところは、渡辺先生の翻訳した部分なのですが、

幸田露伴先生の書いた部分は、旧漢字なども多用されていて、なんとも言えない雰囲気をもっています。

ぜひ、手に取っていただいて、幸田露伴先生の執筆部分も読んでいただきたい!

 

幸田先生はこのような小さな考え方を積み重ねて、運命を呼び寄せると言っています。

成功者はどのように考えるのか、失敗者はどのように考えるか、それに照らし合わせて、自分はどのように考えているのか。分析できる本です。

 

時には、自分の考え方が良くないんだな、と気づかされることがあります。

これを正直に受け止められるかが、成長できるかどうかの鍵になっていると思います。

自分の現時点を認めない限り次のステップには進めないのではないでしょうか?

今できていないことは、悪くないんです、できていないことを直そうとしないことが悪なんだと思います。

 

志以外のものは見ず、志以外ものは聞かず、ただ志に集中することが大事である。…朝から晩まで王陽明

 

志を成就させるために必要な心構えを紹介してくださっています。

つねに、ずっと考えることができているのか、志の大小に関わらず。本気で考え続けていれば、人は物事を達成できると信じてつき進んでいくしかありません。

 

「自分にとっての根本とは何か」と絶えず問いかけよ。

自分がなんのために生きているのか、これは全人類の共通命題でしょう。

その共通命題は、死ぬまでわからないかもしれません、

しかし、答えがわからないから、考えるのをやめてしまうのは、また違う話です。

何も考えなければ、思うがまま生きているのは、動物と同じではないでしょうか?

自分が人間であると、特別だからこそ、いろんな命の上に生きているんだと思うのであれば。

考えるのは人間の義務のように感じます。固すぎますかね?笑

 

幸田先生は福を身につけるための三つの道についてのべている。「惜福」「分福」「植福」である。

この部分はかなり有名です。

この三つ、お金を惜しみ、みんなに分け与え、将来のために投資する。

これらを真面目にしていけば、福を身につけることができるということです。

この「福」と表現しているところがミソでしょう!

「富」を得るだけでなく、人生の充実をも入れた、「福」を得ることこそが、大切だと教えてくださっているように感じます。

 

学問志す人の四つの心がけー正・大・精・深

学問を学ぶ上で必要なことを幸田先生が教えてくださっています。

正=奇をてらう学問でなく、基礎的な学問から学べ

大=若いうちは、専門的になりすぎず、自らの器を大きくするように、広い世界に目を向け、知識を広めよ

精=精密に緻密に勉学を励む必要が、学問を確立するためにはある

深=大なる世界を見てから、自らの力を知った上で、分野を限定し、深く学べ

 

この正大精深は学問の順番なのでしょう。

大変わかりやすくまとめていただいていてとてもありがたいです。

幸田先生は、この他に、教える立場からの視点も入れてくださていて、より理解が深まります。

 

春夏は秋冬よりも肉体は発達成長させようであり、秋冬は春夏に比べ精神的な部分の発達成長を促すようである。

これは、人間の動物としての特徴をしっかりと理解し、うまく折り合いをつけて、自分を成長させよということなのでしょう。

へぇーと思いませんか?

科学的に証明されていないんでしょうか?気になります。

 

散乱心を止めないことには何事もなし得ない。…散乱心を止める工夫…例えば座禅である。

気が散っている状態では、何事もなし得ないという教訓です。

これをなくすためにはしっかりと努力しないといけないと言われています。

スティーブ・ジョブズが座禅を取り入れた理由はこのあたりにあるのでしょう。

 

彼は努力をし続けた、すると突然、扉が開かれたように心がにわかにひらけ、知力が一気に開花し、何度読んでもわからなかったものが一瞬にして理解できてしまったのである。

これは、思い続ければ、体も変わっていくし、脳も変わっていくという例をあげるために、書かれていました。

自分は果たしてそこまで、学問に情熱を注げているのか、まだまだ疑問です。

最初の壁をぶち破るのは、何においても大変力がいるものなのでしょう。

インコに言葉を覚えさせるには、最初が一番時間かかるそうです。

一回言葉を覚えてしまうと、そのあとの言葉は、半分以下の時間で覚えられるようになるのだとか。

人間とインコを比べるなと言われたらそれまでですが。

勉強にもそのような面はある気がします。

 

どうでしたか?

他にも色々あげたいところがあるのですが、

書評なのでこのくらいにします。

この本の評価はAです。

内容的には本当に素晴らしいのですが、これはあくまで入門書として捉え、

原著である「努力論」を本当に読んでから、幸田露伴を語れるようになりたいですね!

 

以上になります!

読んでいただいて本当になりがとうございます。

またお会いしましょう!

最新情報をチェックしよう!